教えて姫先生
物心ついた時から彼女は一人だった。 戦災孤児用の施設で10歳になるまで育てられた。 孤児に愛情を注ぐ者は当然おらず、彼女はいつもいじめられていた。 一人ぼっちの世界は彼女の心を徐々に蝕んでいった。 世の中の全てが彼女にとって冷たかった。 そう、彼と出会うその日まで。 ドラコ連合が侵略してきた日、彼女は帰る場所を失った。 行くあても無くさまよっていた所を彼に拾われた。 彼は彼女を妹として家族に迎え入れてくれた。 彼女はその日から一人ではなくなった。 それが何より彼女の心を救ったのかは言うまでも無い。 だから彼女は戦う道を選んだ。 大切な仲間のいるこの場所を護るために。 なにより兄のいるここ以外、彼女は居場所を場所を知らなかった。 帰るべき場所を二度と失う訳にはいかなかったのである。 そんな決意を知った兄は、彼女に贈り物をした。 星間連盟の遺産「神威」である。 神威は自意識を持ち、自立戦闘が可能なメックである。 だが、人を拒絶しており、人と言うものを信用していなかった。 しかし、姫の裏表が無い素直な性格は神威の信用を得るのに成功した。 神威と姫は戦場と言う舞台で共に戦うこととなる。 二人の相性は完璧で次々とドラコ連合を打ち破る。 懲りずに襲撃を続けるドラコ連合は彼女の前に屍の山を作っていった。 彼女の通過した後は、いつもペンペン草すら生えないと有名になった。 こうして10歳にして撃墜王「天野 姫花」は誕生した。 人は言う破滅の三重奏の一人「戦場のブルドーザー」と・・・・。 |